「体幹を鍛える=固める」ではない理由

「体幹を鍛えましょう」と聞くと、お腹に力を入れて固めるイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。実際に、ぐっと力を入れて姿勢をキープすることが正しいと思われがちです。しかし、ピラティスでは“体幹=固めるもの”とは考えません。体幹の本来の役割は、「動きを安定させながら、スムーズに動かすこと」です。つまり、ただ固めるだけではなく、“必要なときに働き、不要なときはゆるむ”というバランスが大切になります。
常にお腹に力を入れて固めている状態は、一見安定しているように見えますが、実は動きにくさの原因になります。体が固まってしまうことで、他の部分で無理に動こうとし、結果的に負担が偏りやすくなります。例えば、前かがみになる動きひとつでも、体幹を固めすぎていると股関節がうまく使えず、別の場所に頼った動きになりやすくなります。本来は体全体が連動して動くことでスムーズに行えるはずが、一部だけで頑張る形になってしまいます。
ピラティスでは、このような“固めすぎ”を避け、「コントロールできる体幹」を目指します。コントロールとは、力を入れる・抜くを自分で調整できる状態のことです。そのために大切になるのが呼吸です。呼吸をしながら動くことで、お腹まわりが自然に働き、必要以上に力を入れなくても安定しやすくなります。逆に呼吸を止めてしまうと、体幹が固まりやすくなり、動きがぎこちなくなります。
習慣にするために
また、ピラティスでは小さな動きの中で体幹を使う感覚を身につけていきます。大きく力を入れるのではなく、「軽く支えている」ような感覚です。この状態をつくることで、日常の動きでも無理なく体幹が働きやすくなります。「体幹を鍛える=頑張ること」と思っている方ほど、最初はこの感覚に戸惑うことがあります。しかし、力を入れすぎないことで、かえって体は動きやすくなり、結果として負担も減っていきます。
大切なのは、“固める強さ”ではなく“使い分ける力”です。必要なときに働き、不要なときはゆるめる。この切り替えができる体が、疲れにくく動きやすい状態につながります。ピラティスでは、この感覚を少しずつ身につけていきます。まずは「力を入れすぎていないか?」と自分の体に目を向けることから始めてみてください。それだけでも、体の使い方は変わっていきます。










