五十肩・四十肩

五十肩と四十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節の炎症や拘縮（動きの制限）が先にあり、痛みや可動域の制限が生じる疾患です。特に、中高年の人々に多く見られる肩の痛みの原因で、日常生活や仕事に大きな影響を及ぼすことがあります。

原因はまだはっきりしていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

五十肩と四十肩の原因について

五十肩や四十肩は、肩関節の痛みや可動域の制限を伴う状態で、通常は年齢とともに発症することが多いですが、原因にはいくつかの要因があります。それでは、主な原因について説明していきます。

・加齢により、肩関節周りの筋肉や腱、靭帯が柔軟性を失い、硬くなる

・肩の関節包（関節を包む袋）の弾力が低下し、炎症や痛みが引き起こされる

・過度の使用や繰り返しの肩の動きが原因となり、肩の腱や筋肉に負担がかかり、炎症や痛みが発生する

・肩の回旋腱板（肩を回旋させるための筋肉群）や筋肉が損傷すると、肩の可動域に制限がかかり、痛みを引き起こす

・肩関節包の炎症が進行すると、関節の動きが制限され、肩が固く感じられる

・糖尿病の人は肩関節に炎症を起こしやすく、肩の関節に影響を与える可能性が高い

・女性ホルモンの影響で肩の筋肉や関節に問題を抱えやすい

・姿勢の悪さや長時間同じ姿勢でいることが肩に負担をかけ、肩関節の柔軟性を失わせる原因になる

・関節リウマチや肩の変形性関節症などの疾患も五十肩や四十肩を引き起こす原因となる

長期間にわたる肩の不適切な使用や過度の負荷も、五十肩や四十肩のリスクを高める要因です

これらの要因が組み合わさることで、肩関節周囲の組織に炎症が生じ、五十肩・四十肩の症状が現れることがあります。

五十肩と四十肩の症状について

五十肩・四十肩の主な症状は、肩の痛みと可動域の制限です。症状は徐々に進行し、一般的に次のような段階をたどります。

初期（炎症期）

・肩の痛みが徐々に現れる

・特に腕を上げる、後ろに回す（服の袖を通す・髪を結ぶなどの動作）ときに痛みを感じる

・夜間や安静時にも痛みが出ることがあり、寝返りを打つと痛みで目が覚めることもある

・炎症が強い場合はじっとしていても痛む

・数週間～数ヶ月続くことが多い

拘縮期（凍結期）

・肩が動かしにくくなる（可動域が制限される）、特に腕を上げたり、背中に回す動作が困難になる

・痛みはやや軽減するが、動かすと痛む

・肩がこわばり、関節が固くなる（「凍結肩」とも呼ばれる）

・数ヶ月～1年程度続くことがある

回復期

・痛みが徐々に軽減する

・肩の可動域が少しずつ回復し、日常動作がしやすくなる

・完全に元の状態に戻るまでには時間がかかることがある

・半年～1年以上かけて回復することが多い

その他の症状

・特定の動作で痛みが出る（腕を上げる・後ろに回す・ひねる）
・肩が「ゴリゴリ」「パキパキ」と鳴ることがある
・片側だけに起こることが多いが、両肩に発症することもある
・放置すると肩の動きが元に戻らないこともある

これらの症状は、個人差があり、患者の状態や病歴によって異なります。専門家による診断と適切な治療が必要です。

当院では、お客様一人ひとりの症状に対応した適切な施術やアドバイスを提供致します。専門的なアプローチを通じて、四十肩や五十肩のお悩みを解決へと導くお手伝いができれば幸いです。どうぞお気軽にご相談ください。